村谷は昼過ぎに所用が終わったので、好天を利して旧都電13系統路線巡りを行った。
出発は水天宮前とし、新宿へ向かった。
水天宮では3組の初宮参り参拝客が先着していたので、撮影のお邪魔にならぬよう参拝を済ませて、12時40分に水天宮前交差点を出発した。
秋葉原駅東口までは、一直線に人形町通りと水天宮通りを北上する「和泉橋線」だった。
平日の昼時とあって、通りの両側には昼食を済ませた人とこれから店に入る人で大賑わい。
甘酒横丁の右手奥に見える玉ひでには、続々と親子丼を求めるお客が入店中。
道路わきに置かれていた魚久の弁当にはもう「売り切れ」の札が張られている。
人形町交差点を渡った先の店先には、入店待ちやテイクアウト待ちの列ができている。
小伝馬町交差点を横断した先の左手に、見ごろの桜の木が見えたので十思公園に入った。
木に名札が付いていないのではっきりとはわからないが、「エドヒガンサクラ」系と推定。
空いていたベンチがあったので腰を下ろして最初の休憩。妻から差し入れの紀伊国屋の最中で小腹を満たした。
園内はベンチでお弁当を楽しむサラリーマン・ウーマンや、地面にシートを広げて、お手製の昼食を楽しむ家族連れなどで混みあっていた。
まだ先が長いので早々と腰を上げてさらに北上する。
靖国通りから左手斜めに神田駅方面に直結する岩本町3丁目交差点に差し掛かる。かつては神田お玉が池と呼ばれていて、幕末には江戸三大剣道場の一つ・千葉周作道場があり、坂本龍馬が塾頭を務めたという。残る二つは築地の桜井春蔵道場(塾頭は土佐の武市半平太)と九段下の斉藤弥九郎道場(塾頭は桂小五郎)だったというのは、時代小説からの受け売り。
和泉橋で昭和通りと合流し、神田川を渡る。橋の袂にはやはり見ごろの桜の木。
秋葉原東口交差点で、旧都電は左手に直角に曲がる。村谷は歩道橋か地下道の二択なので、東京メトロ日比谷線の改札口前を通過する地下道を選択した。
この先は神田川と雁行し、旧都電路線名は飯田橋までの間が「お茶の水線」だった。
秋葉原駅の南側でJR各線を潜り抜けるとすぐに万世橋交差点。中央通りを横断する信号を待つ間に、例によってチョコナッツをひと齧り。
昌平橋交差点から先、御茶ノ水駅前までが上り坂で、かつての昌平坂。右手に湯島聖堂の入り口があり、これまた見ごろの桜の木が見えたので寄り道してしまう。園内には、昼散歩らしいサラリーマン男女がぱらぱら。
大成殿でお賽銭を差し上げて西側の出口に向かおうとすると、渋い赤色の和傘を差して華やかな着物姿でポーズをとる若い女性と、カメラを2台携行して彼女を撮影中のカメラマンに遭遇した。長い黒髪を背中に垂らし、マスクなどは付けずに明眸皓歯をすべてさらしているの女性の出現に、何気ない寄り道に感謝!
少し遠回りになったが西側出口から出て、聖橋経由で地上に復帰した。
東京メトロ丸の内線・御茶ノ水駅前を通過、乗降客の多さが平日だったことを確認する。
順天堂大がある付近が、家康がお茶の接待を受けて「お茶の水」と名付けた場所だという。それらの縁で右手奥に後年、水道歴史館が設置された。
JR総武線。水道橋駅前に到着。陸軍砲兵工廠後に戦後、後楽園遊園地が設置された。
小石川橋手前から日本橋川が分流する。江戸開府当時に、伊達政宗が徳川家康と囲碁を対局した際に「小石川口から攻めれば一気呵成」と煽ったため、家康が伊達家にその工事を命じたというタヌキとキツネの逸話が残っている。
飯田橋駅前の大きな歩道橋を渡り終えると道が3通りに分かれる。
13系統は真ん中の大久保通りを走っていた。四谷三光町までが「角筈線」だった。今は三光町や角筈という地名を聴くことはないが、村谷が上京した当時の昭和40年代前半には耳にした記憶が残る。
神楽坂上までの上り坂に差し掛かるので、これ以上汗をかかないよう日陰が多い左側歩道を選択した。
この先しばらくは新宿山の手七福神巡りで通ったコースだ。本日は左手に続くお寺への参拝を省略して進む。
牛込北町交差点脇のダンダダン酒場は、通常営業中。
牛込柳町交差点で下り坂から上り坂に転進。
若松町交差点で大久保通りと分かれて、左手斜め 職安通り方向に入る。
抜弁天交差点では、昨年9月の新宿山の手七福神巡りで通過した分と合わせて弁天さまに丁寧にお参りした後、山吹坂を下る。現在は、都電大久保車庫跡に建てられた新宿文化センターに因んで名付けられた「文化センター通り」の方が一般的だ。
新宿6丁目交差点で明治通りを横断する。
区役所通りの一本手前から「四季の路」に入る。くねくねと曲がった路線跡が、そのまま人気の散歩道に変貌している。途中でゴールデン街を突っ切るのも面白い。
ポンと靖国通りに飛び出すと、人・人・人。14時50分、新宿駅前にゴールイン、130分の散歩だった。
通りを戻り返して花園神社に参拝して、本日無事のお礼を申し上げた。境内に数本咲くソメイヨシノはまだ、2〜3分咲きだった。
歩行数は、寄り道を含めて2万1千歩。
次回は14系統(新宿駅前〜荻窪駅前)の長丁場に挑戦する予定。(村谷 記)
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★2022年3月24日(火)『旧都電路線巡り「13系統(水天宮前〜新宿駅前)」』