さんぽ

<10月24日(火)お茶の水界隈散策(御茶ノ水駅〜御徒町駅)>

 快晴無風のJR総武線・中央線・
御茶ノ水駅西口改札前に集合したのは、菅野・小林・田幸・村谷・山内の5人。

 御茶ノ水橋の袂に設置された解説版で、江戸初期に徳川家康の指示で神田山を切り崩して、日比谷入り江を埋め立て、神田川を開削した歴史を学ぶ。

 橋を渡り外堀通りを左折し、油坂を上り、東京都水道歴史館に入場する(無料)。

 まずは2階に上がって、家康の江戸入府(1590)から綿密に指示されて開発された水事情を学んだ。江戸後期には当時では100万人を超える世界最大の都市を維持したインフラを実際に使用された木製配水管などを見て確認する。

 続いて1階に降りて、早くも明治3年から近代的な上水場施設を構築した先人の偉業を重ねて学んだ。
菅野から、「世界でも水道水をそのまま飲料として飲める大都市は少ないはず」との指摘。村谷の記憶でも、ハワイ諸島の一部ぐらいしかないはず。小林からフランスではエビアンよりもワインが安かった時期もあると。日本のGDP の規模こそ今や世界3位が危うい状況ながら、これまで綿々と引き継がれている給水施設レベルは今でも世界に誇れそうだ。

 坂道伝いに水道橋駅横に降り立ち、交差点を横断する。平日とあってこの夏に村谷が都市対抗野球応援に駆け付けたころの人出には及ばないものの、隣接する東京ドームシティアトラクションズ(後楽園遊園地)から聞こえる歓声が一際響きわたる。

 小石川後楽園に東門から入場する(65歳以上150円)。
水戸家屋敷跡にふさわしい静謐な空間は、どの季節でも訪れた人を慰めてくれる。外人観光客に交じって大きな池を周遊し、再び東門から出て、東京ドームを時計回りに巻いて北上する。

 東京メトロ丸の内線・
後楽園駅の線路を潜り抜けて、礫川公園に入った。
山内が、一段と高い広場に、昼食場所に好適な砂場を見つけてくれたので階段を上がり移動した。

 シートを広げ、各々の座り場所を確保する。本日は立ち寄り場所が多く、普段より30分以上は遅い正午過ぎ。
まずは乾杯、たくさん歩いた分だけ冷たいアルコールのおいしさが増すことを実感する。

 それぞれ工夫を凝らしたつまみを味わいながら、長い社歴で印象深かった勤務場所・苦楽を共にした諸先輩や同僚の思い出話から始り、定年後に度々訪れた東南アジア各国の印象などを話し合っているうちに大1時間が過ぎる。

 隣接する東京都戦没者霊苑に参拝する。先の大戦で犠牲となられた16万人余の尊い御霊の前で、改めて平和の大切さをかみしめる。

 
冨坂を下り春日交差点で白山通りを横断する。昨年後半から今年前半にかけて、旧都電路線跡をたどった村谷にとっては何度も通過した懐かしいポイント。

 春日通りの
真砂坂を上り返す。左手奥に位置する『文京ふるさと歴史館』は次の散歩の宿題とした。

 本郷3丁目交差点で国道17号(旧中山道)を渡る。交差点わきにある「かねやす」は、江戸期には江戸の市街地と江戸府外の境界線に位置した場所として知られる。『鬼平犯科帳』で「江戸所払い」の刑に処せられた軽犯罪人との別れの場所でもあった。

 左手に春日局の銅像がすっくと立っていたので、麟祥院に立ち寄った。案内板に従って到着した墓所は、他より敷地はやや広いものの、意外に簡素な墓石だった。明智光秀の係累に生まれながら、徳川三代将軍家光の育て親ともなった波乱万丈な生涯は、まだ大河ドラマの主役には登場していない。

 湯島天満宮に入る。10月末の平日午後とあって、学問成就の願掛けをする若者は見えないが、広い境内には来年の志望先入学を祈願するお札が、何層にも重なっていた。

 男坂を下り、かつて料亭「開化楼」があった箇所を知る菅野&村谷は、昭和の時代を回想する。

 中央通りを横断して、所用で帰宅する菅野と別れた4人は、松坂屋百貨店の向かい側にある小路に打ち上げ場所を求める。
入ってすぐ左手の「居酒屋 おつかれ一杯 御徒町本店」の店頭で、色白で細身、ぱっちりした大きな黒目の小柄なギャルから「いかがですか」と少しぎこちない日本語で声をかけられ、一も二もなく入店する。

 生ビール&ホッピーセットと、山内が絶妙のつまみを選択。彼女に尋ねるとやはりわれらの直感通りに、ベトナム北部のハノイ出身者だった。

 お互いのベトナム・カンボジア訪問など東南アジア旅行の体験談をさかなに、本日もまた楽しく散歩を締めました。(村谷 記)

コース
 
JR中央線・御茶ノ水駅西口改札〜外堀通りを西進〜油坂へ右折〜東京都水道歴史館〜建部坂を下る〜元町公園〜お茶の水坂〜神田上水懸樋跡〜水道橋交差点(白山通りを横断)〜小石川後楽園〜東京ドームを回り込む〜礫川公園〜東京都戦没者霊園〜春日交差点(白山通りを横断)〜春日通り・真砂坂〜かねやすビル前(本郷三丁目交差点)〜切通坂〜臨祥院(春日局墓)〜湯島天神〜天神男坂を下る〜天神下交差点(昌平橋通りを横断)〜中央通りを横断〜山手線など・御徒町駅
     <歩行距離:5km±α、歩行時間:1時間20分±α>

  *「文京区観光ガイドマップ」の「湯島・本郷エリア」と「後楽園・春日エリア」を参照し、その一部を歩きました。

                     このページのトップへ戻る

                      前のページへ  次のページへ
.
.
.
.
.
.

ホームへ

★2023年10月24日(火)「文京区南部の名所めぐり(御茶ノ水駅〜御徒町駅)」