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 本日も曇天・30度未満の予報だったので、村谷は昨日に引き続き旧都電路線跡散歩を行った。

 旧都電27系統の三ノ輪橋〜王子駅前の区間は専用軌道があったため、荒川線として残されている。
今回は併用路線のためもあり廃線となった「赤羽線」を歩く。廃線日は昭和47年(1972)11月12日。
 本来、27系統は王子電気軌道から東京市が継承した路線だった。現在は東京メトロ南北線が、その全域をカバーしている。

 都電荒川線で数少ない併用路線、飛鳥山〜王子駅前の明治通りを走行していて、信号待ちを含めた車道を走る車との調整のために随分時間がかかっていることから、都電の廃止はやむを得ない判断だったと感じる。

 先ずは王子神社に向かう。今月で創建700年を迎え、明日は盛大な記念祭が予定されていた。

 
王子駅前に戻り、北口から正午ちょうど出発する。歩く区間はすべて北本通り。あちらこちらの食堂にはテイクアウトを含めた昼食を求める大勢のお客さんの姿がある。YSCの打ち上げで度々利用した「半平」も混みあってると推察されるが、ロータリーの反対側なので中を覗けない。

 ちなみに王子という地名は、熊野本宮大社 の御子寺である「〇〇王子」 を勧請した (熊野権現王子大神を分社した) というのが定説のようだ。⇒王子神社御由緒のページ

 北とぴあ前を通過、展望台行きは省略。

 2番目の停留所・
王子2丁目を過ぎるとようやく人出が少なくなったのでマスクを外した。

 次の
王子3丁目は以前「尾長橋」だった。現在は歩道橋の名前についている。早くも背中が汗ばんできたので、信号待ちの間にチョコナッツをひと齧り。
交差点を渡ると広い道の両側のほとんどが、マンションになっている。真下に南北線が走っているのだから当然だろう。

 
王子4丁目交差点を過ぎても景色は変わらない。対照的に食堂がほとんど見当たらず、信号ごとにコンビニがあるだけだった。

 地名が神谷に変わる。その由来には諸説あるようだが、王の次に神とはなかなか尊い路線のようだ。
神谷橋という停留所名は、環七通りを横断する高架橋につけられていた。

 道の右側に大きな建物が次々に現れる。ニトリ、大日本印刷、大同特殊鋼、赤羽警察署、そして都バス北車庫の敷地が続く。

 地名が志茂に変わる。当地域の中心地で日光例幣使街道の宿場・岩淵の下に位置するからだという。当所は「下」村だったが、文字の見栄えが良くないので「志茂」にしたのだろう。

 今度は右手に広々した緑地が出現、
北清掃工場だ。敷地内には志茂老人いこいの家や温水プール、若者向けの元気プラザがある。その隣には、やはり広い敷地の なでしこ小学校。
その先の左手の瀟洒なマンションから、盛装したややふっくらの若い女性が出てきて、かつかつととハイヒールを響かせながら
志茂駅構内に下りていった。

 
志茂2丁目交差点の先で「三〇食堂」という、変わった暖簾を見つけた。「直火焼豚丼 こく旨醤油だれ 800円」と「海鮮だし香る 旨辛赤チャンポン 850円」の大きな写真入りポスターにはそそられたものの、まだゴールは先だ。帰宅後に、5年前に人気ラーメン店・みらいゑの跡地に開業したと判明、いずれ訪問する予定。
道が少しずつ左側にカーブしている、相変わらずの曇り空が続く。王子神社の御威光がここまで及んでいるようだ。

 道の北側の地名が岩淵に変わる。当地を支配していた武家の名前からというのが定説で、日光に参詣する将軍様のために、防衛上の理由で江戸時代には橋が架けられていなかった荒川に、巨大な船の橋を準備するという重要な役目があったという。

 午後12時50分、
赤羽交差点に到着した。地下には赤羽岩淵駅があり、この先は埼玉高速鉄道に路線名が変わる。本日の所要時間は昨日より少し長い50分間。今になって青空が出てきたがもう問題ない。

 交差点から先は環八通りが始まっていて、
北本通りは右手に直角に右折して新河岸川に通じている。村谷は北本通りを選択、新荒川大橋で新河岸川を渡り、左手に広がる新荒川大橋緑地に入った。桜の木々が折り重なるように生え茂った草むらにあったベンチを確保して、昼食タイム。いつもの休憩姿になり、缶チューハイで蒸し暑さを吹き飛ばす。本日のつまみは、チョコナッツ・レモン味のベビーチーズ・黒豆せんべいだ。

 たっぷりの昼休憩を終えても時間があるので、赤羽駅周辺のディープスポットを巡る。相変わらず飲食店街は若者たちで満杯。

 アーケードがある東口商店街をJR線赤羽駅方面に向かっていると、何やら人だかりができている。2日に1度、歌手によるキャンぺーンを行っている赤羽美声堂。本日は、若手演歌歌手・辰巳ゆうとが出演中。声量の豊かさと見事なコビシ廻しはまさにプロの証だった。演歌らしくなく珍しい歌をということで披露した「縄文さむかわ」は、クラシックの要素も取り入れたらしく初めて聞くニュアンスの歌で、大きな拍手が沸いた。

 
赤羽駅から帰途に着きました。

 次回以降は、臨時の6系統から選ぶ予定です。(村谷 記)

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★2022年9月3日(土)『旧都電路線巡り「27系統のうち赤羽線(王子駅前〜赤羽)」』