村谷は好天に誘われて旧都電路線16系統路線散歩を行った。日差しをできるだけ避けるため、錦糸町駅前から正午ちょうどにスタート。
廃線日は昭和46年3月18日で、現在は同じ道をバスが走っているので、道中で何回も追い抜かれた。
錦糸町駅には三路線乗り入れていて、16系統だけが北口から出ていた。まずは清澄通と合流する石原町1丁目停留所までの間が「石原線」だった。
駅に向かう人波をかき分けるようにして、四ツ目通りを北上する。右手に広がる錦糸公園では大勢の家族連れや若者たちが、芝生の上で遊んだり、おしゃべり、昼食にとそれぞれお楽しみの最中。さらに自転車や徒歩、ベビーカーを押した人たちが次々に入園していく。
太平4丁目l交差点で蔵前橋通りに左折西進する。日差しを避けるために南側を選択した。
右手にはスカイツリーが大きく立ち上がっている。
報恩寺橋の上から大横川親水公園を見下ろすと、スポーツスタイルに身を整えた若い女性が見事なフォームで走り去っていく。
石原3丁目交差点で三ツ目通りを横断するための信号待ち、最初のチョコナッツを口に投入。
気温が上がってきたのでお茶を買おうとしたが、コンビニは北側に偏っていて見つからない。ようやく清澄通りの手前でセブンイレブンを見つけてほうじ茶を購入、歩きながらラッパ飲みして一息ついた。
石原1丁目交差点で清澄通りに右折北上する。正面左手の緑陰は、いつも休憩場所としてお世話になっている横網町公園だが、本日は立ち寄らない。
ここで「業平線」に入った。背中から日差しが注ぐので、並木が豊かな西側の歩道を選んだ。
本所1丁目交差点で本日のゴール近くまでご一緒する春日通りに左折西進する。名称も「厩橋線」になった。
厩橋の上から後方を振り返ると、スカイツリーが少し小さくなった。隅田川テラスを見下ろすと、帽子、Tシャツとパンツを濃淡のピンク色に揃えたスタイルの良い長身の女性が、下流に向かってUターンしていった。
橋を渡り切った地点から台東区に入った。
都営大江戸線・蔵前駅前を通過する。
良い香りが漂ってきて、店先に入店を待つ6人の家族連れがいる。蔵前いせやだった。店先のメニューを見ると下町らしく良心的で、1万円札で十分おつりがきそうで、機会を見つけて来てみたいと思った。
バス停が次々と出現するのだが、ベンチ付きがなかなか見当たらない。ようやく発見し、本日初めて腰を下ろして冷たいほうじ茶でチョコナッツを食した。
新御徒町駅前で清洲橋通りを横断する。南側の歩道を選択しているので、依然として日差しが避けられるのがありがたい。
台東4丁目交差点で昭和通りを横断するための信号待ち。角にある激安店・多慶屋の店頭には、久助が山盛り状態で、買い物客が群がっている。米菓(せんべい類)の割れたものを安売りするのが「久助」という名称である理由は諸説あり、中でも有力なのは江戸時代に和菓子職人や料理人の間で良質な本葛として広く使われていた「久助葛」にかけて、くず菓子の名前に転じたという。
御徒町駅前でJR線を潜り抜ける。左手すぐ先のとんかつ「蓬莱屋」にはまだ長い列ができている。
上野広小路交差点で中央通りの横断待ちになったが、松坂屋の入り口なので日陰と冷気には不自由しなかった。
時刻はちょうど午後1時で、出発してから60分が経過した。
横の路地から若い女性が目の前に飛び出した。短いスカートの下には暑さゆえなのかほっそりした綺麗な生足だった。その後ろを遅れずについていく。少し先のドン・キホーテに入店、つかの間の眼福だった。
名称も「切通線」に変わり、切通坂を上っていく。
湯島天神へ続く石段があるので参拝に立ち寄ると、花の季節でもなくイベントも行われていないのにここも人人人。
境内にある新派の碑 と 王貞治の努力の碑を確認してから、本日の無事をお願いし再び階段を下り春日通りに復帰する。
少し先が坂の頂点で、その先から左手斜めに下り坂になっており、天神様のご利益に感謝する。
最中で有名な壷屋総本店前を通過。たまたま店頭にはお客さんの姿が見えなかった。
本郷3丁目交差点で本郷通りを横断、江戸時代は街の北限で歯磨き粉を打っていたという「かねやす」はシャッターが下りていた。
真砂坂下交差点からは一転して急な上り坂になり、天神様の圏外になったようだ。真砂坂上からはようやく下り坂。
春日町交差点から先は「冨坂線」。
急な上り坂がお出迎え。道沿いに咲く満開のハナミズキの並木に後押しされて、上り詰めた所には中央大学理工学部のどっしりとした石造りの建物が出現した。
伝通院前交差点で、右手の伝通院を遥拝してから、先に進む。ここからは「大塚線」。
道沿いのラーメン店にはまだ若者たちが10人近く入店待ち。
小石川5丁目交差点の右手は桜並木が有名な播磨坂。
VSC散歩で何度か待ち合わせた茗荷谷駅前を通過。
少し先左手、大塚都バス車庫跡地には建築中の大きなビルがあり、中央大学法学部が入る茗荷谷校舎。その隣が跡見学園だ。さらにその先にはお茶ノ水女子大学と続く。
新大塚駅前で左手斜めに行く春日通りと分かれて直進、午後2時10分にJR線・大塚駅前に到着した。130分で10.7キロを踏破することができたのは、ほぼ一貫して日陰を選択した効果だった。
次回は17系統(池袋駅前〜数寄屋橋)を歩く予定。(村谷 記)
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★2022年4月23日(土)『旧都電路線巡り「16系統(錦糸町駅前〜大塚駅前)」』