好天に恵まれて、村谷は荏原七福神巡りを行った。平成3年創設の新しいコースながら、巡る寺社の歴史は他の七福神に引けを取らないコース。
午後から所用があるので、午前10時を少し回った時刻に、東急目黒線・西小山駅改札から地上に出た。駅前はすっかりと整備されていて、人出も多い。
商店街を南下して、少し先から右手の江戸見坂に右折する。幅が広く秋の日差しが道いっぱいに広がる散歩にも心地よい坂で、対面から都心に向かうらしい何組もの若い二人づれとすれ違う。
坂を上り切って振り返ると、都心方面が一望できて坂の名前の由来が判った。
最高地点にある小山八幡神社に参拝する。鎌倉期創建とされる旧小山村本村の氏神様で、樹齢200年という二本のシイの木が特徴。社殿の左手にある大黒天像にお参りしてから、広い広場に降り立つ。
ベンチアがあったが、親子連れがテニスボールで遊んでいたので休憩を先送りして、正面の階段を下りる。
右手に墓地を確認してから回り込んで、摩耶寺に参拝する。寺名の由来は、釈迦の生母である摩耶夫人を祀るお堂があるからだという。江戸初期創建のお寺で寿老人が祀られている。ゆったりした休憩所で最初のチョコナッツ休憩。まだ時刻は10時半を過ぎたばかりだ。
門前を左折して、本日の前半をお世話になる立会通りに出て南下する。両側が桜の古木に覆われていて同年配やそれ以上の人たちがのんびりと散歩していた。
右手に昨今のコロナ禍でしばしば登場する昭和大学病院の巨大な建物が出現。中原街道を旗の台交差点で並行するように横断して、立会川緑道を下る。
突き当りを右折して旗の台商店街を南下する。一気に人出が増えた。
東急池上線と東急大井町線を潜り抜けてすぐに、荏原町商店街に左折すると一段と人出が増加した。
一旦、東急大井町線・荏原町駅横の踏切を左折して、線路際の法蓮寺に参拝した。鎌倉中期創建の古刹で、無人の境内には恵比寿天が祀られている。
広い境内にベンチがないので、隣接する旗岡八幡神社に向かった。折しも七五三参りの家族づれが何組も待機していた。法蓮寺とともに当地を支配した荏原氏が、源平時代に居館とした跡地。広い本殿には数組ずつお祝いの最中だったので、小さめの柏手を打って退出した。
順番待ちの家族が寫眞撮影中。はかま姿の五歳児と並んでマスクを外した母親はなかなかの美形だった。
再び商店街に戻る。ここからは三間通りと名前が変わる。すぐ右手にある料亭「匠亭」の前では、和服姿の若い女性二人が昼食用の弁当を販売中。何人もの女性たちが品定めしていて、覗いてみると7〜800円台と豪華な彩に比してお手軽な値段のようだ。
二葉4丁目交差点で国道1号線を横断して直進し、地図を広げて次の神社を検索していると、左手の家からお姉さまが出てきて「神社ならこの先の信号手前の左手ですよ」と御教示いただいた。15年前に四国遍路を巡拝した時のことを思い出いす。
上神明天祖神社に入る。七五三の準備が整った広い境内には、家族連れがどこにも見当たらない。参拝を終えてゆったりと椅子に腰かけてチョコナッツ休憩を摂っていると、隣の椅子に若い女性たちが3人集まってきた。何気なしに会話を聞いているが日本語ではない。皆、色白細身でおそらくベトナム北部系と推定した。そういえばこの神社には弁財天が祀られていた。蛇窪神社とも言い、鎌倉期の創建。
このまま三間通りを大井町駅まで直進すれば、六番目としち番目の福神があるのだが、そうは甘くない。
次の五番目を目指して一旦南下する。地図を片手に小路を右左に行きながら、新幹線&横須賀線の高架に突き当り坂道を下ると、布袋尊を祀る如来寺に着いた。江戸初期創建の対馬宗家の菩提寺・養玉院が大正15年に如来寺に合併したもの。本堂に安置されている巨大な五智如来に参拝してから退出。
再び東海道新幹線・横須賀線高架を潜り抜けて光学通りを右折し、左手にある伊藤博文別邸跡前に来ると、ちょうど年に一度だけ11月3日の文化の日の際に品川区が公開しているタイミング。吉田兄らと10数年前に参拝して以来だ。園内では家族連れが何組もいたのだが、大河ドラマの主人公になってはいないためなのか、肝心のお墓にお参りしている人はほとんどいない。
光学通りを進み、右折し、立合道路も通過して、三間通りに復帰して右折する。
東光寺前交差点でお寺を探すが見つからないので、バス停に立っていたお姉さまに場所をご教示いただく。交差点をいったん右折し、右手に入り口を見つけ、毘沙門天を祀る東光寺に参拝した。比叡山延暦寺の末寺で、室町後期創建の古刹だ。最後のチョコナッツ休憩。
三間通りに戻り道なりに西進し、大井蔵王権現神社に参拝する。平安期創建とされ、火災や疫病から守ってくれる天狗様が祀られている。七福神は福禄寿。
JR線大井町駅前には、七五三帰りの華やかな服装の子どもたちや、ハローウイン用に身なりを整えたらしい若者たちがあちらこちら。午後12時過ぎに帰途についた。
YSC散歩向きには五番目の如来寺をのぞいたコースがベター?と感じました。(村谷 記)
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★2021年10月30日(土)「荏原七福神巡り(西小山駅〜大井町駅)」