3日ぶりの好天に、村谷は標記七福神巡りを行った。
板橋七福神巡りは、昭和12年に当地の熊野神社付近に住む彫刻師・彫金こと田中金太郎氏が地元、旧・板橋区 (現在の練馬区を含む) の七寺に高さ25cmほどの素朴な白木づくりの仏像を寄進したのが、その始まりとされている。
西武池袋線・江古田駅北口から正午に出発した。折しも昼食に向かうサラリーマンや学生さんたちとは反対方向に進むと、すぐに日大芸術学部(日藝)入り口に着いた。何年か前のYAC散歩で訪問した際には、校舎内をじっくりと見学したことを思い出した。
広い敷地の北辺に沿って進むと、旭丘中学校。ここもなかなか立派な校舎がお出迎え。ちょうど昼休みのため、広い校庭は無人、ただ練馬区の公立学校の敷地の広さは確認できた。
旭丘中を半周し隣接する能満寺に向かう。南側の入り口はなぜかしっかりと施錠されていて入れなかったので、寿老人は確認できなかった。
次第に日差しが強まってきたので、くねくねと細い小路を北上して向原公園に入った。ここはすでに板橋区。まずまずの広さの公園内に何本も咲いている桜の古木のおかげで、どこのベンチも絶好の日陰になっていた。先客は中年男性が一人いただけだったので、一番遠いベンチをお借りして、定番のチョコレートナッツをひとかけらと夕べから凍らせておいたペットボトルのお茶を一口飲みし、最初の休憩は終了。
要町通り(この辺りは向原トンネル)をまたぎ超えて、狭い道を東進する。左手にある向原児童館・保育園は、建物の外見から学校の跡地を転用したらしい。
村谷持参の ちょっと昔の地図には(閉校になった)「向原中学校」と書いてある校舎に突き当たると、全面改築中。看板は「板橋第二中学校」となっていた。
本日二つ目の参拝先、西光寺に着く。布袋尊が祀られている古刹で、賽銭箱もなく簡素な佇まいだ。広い敷地の駐車場の中に立派な屋根付きの大きなベンチがあったのでお借りした。チョコひとかけらとお茶。
続いて住宅街を北上すると、道幅が広いパステル宮の下商店街。一気に人出が増えてきたのでマスクを付け直す。
石神井川に突き当り川沿いに左折する。
上の根橋で環状七号線を迂回して横断し、さらに西進。
台橋を右折し、左手先に広大な境内を持つ弁財天を祀る安養院に入った。ここも西光寺同様、YSC散歩で訪問済みの真言宗の古刹だが、このお寺で思いがけない出会いが待っていた。
本堂参拝に続いて、すぐ左手にあったがっしりとした弘法大師像にもお参りし、東屋で休憩すべく振り向くと、ちょうど一人の男性が参拝に来た。
「村谷さん」と声をかけられてびっくり。マスクを取ったのは現役時代に業務を引き継いだG君だった。2年前に浅草寺近くの蕎麦屋で、共通のお客様を囲んで杯を傾けて以来の久々の邂逅。
この付近に住んでいることは知っていたがびっくり。このお寺は毎日の散歩コースに入っていて、必ず弘法大師像にお参りし、四国八十八か所のお砂踏みを行っているという。「昼過ぎの散歩とは珍しいですね」「たまたま、午前中に家の掃除があったのですよ。いつもは9時から10時ごろに来ているのですが」
奇遇だった。これも共に敬愛する御大師様のお引き合わせだろう。23区の西北と東南に居住する年金生活者二人が、この場所で居合わせる確率は何兆分の一どころか何京分の一かもしれない。G君が参拝を済ませたのち、東屋で向かい合う。
近況や知友人の消息、コロナの中でのお互いの日常生活などを語り合い門外に出る。環状七号線に出て「お互いに健康には気を付けて」と左右に分かれる。
川越街道との交差点の左脇にある長命寺に参拝した。緩やかな坂道を上り、本堂に参拝した。福禄寿が祀られていて、小ぶりなベンチに腰掛けてナッツ&お茶休憩。
ここから先は札所の間の距離が長いので、気を引き締める。
ずは川越街道を池袋方面に下っていく。ずっと日陰が続くのも御大師様のご加護だろう。
今何かと話題の「日大病院入り口」交差点を通過。
大山金井町交差点で川越街道と別れて右斜め方向に坂道を下り、南町交差点を右折してすぐの西光院に入った。大黒天を祀る真言宗豊山派の寺院。境内には弘法大師像はなかったが、本堂の庇に覆われた立派な休憩所があったので、ここでもナッツ&お茶休憩。
山手通りに出て北上、熊野町交差点で川越街道を横断した。左手にある熊野神社ではすっかり七五三の準備ができていた。
さらに北上し、東武東上線をまたぎ超える。
板橋JCTに沿って東進し、国道17号線を横断、旧中山道に入った。
右手の恵比寿様を祀る観明寺に参拝した。ここにも立派なベンチがあり同様に休憩タイム。
さらに北上すると左手に、まだ新しい板橋三丁目縁宿広場がお出迎え。高層マンションに建て替えた代替策として作られた広場らしく、若いママさんが何人も幼児と遊んでいた。一番隅にある小さな木製ベンチをお借りして、午後3時と遅めの休憩タイム。背中のタオル、靴下、帽子を取り去り、残ったピーナッツチョコとカステラをつまみに冷えた缶チューハイ。ようやく人気を取り戻した。
王子新道を超えると板橋宿の中心、仲宿。 本陣跡があったスーパーマーケット・ライフのすぐ右手先が、毘沙門天を祀る文殊院。ここも立派な休憩所があったが立ち寄らず、都営三田線・板橋区役所駅から帰途についた。
歩数2万歩近くの長いコースで、小刻みにアップダウンする坂道が多いが、休憩所が充実していて、気候の良い時期にのんびりと歩けば楽しい七福神と感じた次第。(村谷 記)
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★2021年10月14日(木)「板橋七福神巡り(江古田駅〜板橋区役所前駅)」