<12月22日(火)上野・浅草周辺の 正岡子規(「青空文庫、作家別作品リスト:正岡子規」のページ)) 句碑文学散歩(上野駅〜浅草駅)>

 冬至の日、雲一つない快晴の朝、 上野公園  ・ 西郷隆盛銅像 前に、菅野・山岡・田幸・村谷・山内の5人が集合した。

 次々と訪れる外人観光客と順番を調整してスタートの記念撮影を済ませ、時代の狭間で犠牲となった彰義隊の慰霊碑に黙祷を捧げてから 清水観音堂 へ参り、本日の無事をお願いした。

 階段を下って、不忍池を天龍橋で渡って、弁天堂にもお参りする。

 続いて、上野さんぽでは省略しがちな 五条天神社(「株式会社LIG」さんのページ) に行く。
お目当ての句碑「みちのくへ 涼みに行くや 下駄はいて」と「秋風や 旅の浮世の果て知らず」はなかなか見つからず、社務所のお嬢さんに教えてもらい見つけたが、明治26年(1893)の旅に出る際の作だという。
 子規の句碑「みちのくへ 涼みに行くや 下駄はいて」を読んでいる菅野と山岡に、句碑の固定工事中の職人から、句碑の置き場所の微調整のついての意見を求められた。

 …句碑の裏面には、「正岡子規没後百周年記念」「台東区俳句人連盟建立」とある。
    ⇒建立のいきさつを記事にした(「白田石材店」さんの)ページ

    東京都台東区の句碑・歌碑(「ざったび」さんのページ) ←殆どが、正岡子規のものですので、紹介します。

 続いて、何度も訪れている 正岡子規記念球場 。「ベースボール」を自らの幼名だった「のぼる」にちなんで「野(の)球(ボール)」と訳したのが、子規とはよく知られた話だが、「春風や まりを投げたき 草の原」の句は、短かった生涯を健康に悩んだ願望が、今も胸を打つ。

 平成28年の世界遺産登録を目指す国立西洋美術館、兵馬俑展示で続々と観客が詰めかけている東京国立博物館脇を通過して、寛永寺輪王殿の脇から北上して、山手線&京浜急行線・鴬谷駅を目指して、人気のない道を北上する。
 国立博物館の敷地内に真っ赤に紅葉したハゼの木と思われる大樹がそびえ立ち、美しい。

 駅改札前にあった蕎麦の名店「公望荘」は、残念ながら閉店・廃業していた。
凌雲橋でJR線を渡り、線路沿いにあるはずの 元三島神社 (「猫の足あと」さんのページ)を探したが、分厚いラブホテル街に遮られてなかなか見つからない。
ようやく発見して参拝。「木槿(むくげ)咲て 絵師の家問う 三嶋前」の碑を確認した。

 この先の日暮里駅方面には、正岡子規が逝去した子規庵跡の「をとといの へちまの水も 取らざりき」の句碑などもあるが次回に残して転進する。

 一旦、鶯谷駅方面に戻り、コンビニで買い物調整をしていたら、自転車で昼食の買い出しに来たらしいお巡りさんにお会いしたので、駅裏の 鶯谷公園 (「恐るべき児童公園」さんのページ)への道筋を教えていただく。

 くねくね道を曲がってたどり着いた場所は、線路沿いながら人影がほとんどなく意外に広い。
シートを広げて先ずは乾杯。日差しはまるで春先のように輝いている。

 山内がもつ鍋、村谷がハムやホルモンの炒め物と、2台のバーナーに着火して宴を開始する。
最初のビールが旨い。続いて、村谷が日本酒の熱燗を、さらに田幸提供のベトナム焼酎・ネップモイが登場し、年末年始の行動予定の打ち合わせなどを行っているうちに、数々のツマミを何とか片付けた。

 昼食後は、言問通りを東に進み、 入谷鬼子母神 に参拝に参拝する。「蕣(あさがお)や 君いかめしき 文学士」と「入谷から 出る朝顔の 車かな」を確認した。

 さらに言問通りを東進し、金竜小学校交差点でかっぱ橋道具街通りを横断し、千束1丁目交差点で左折、酉の市の元祖とされる鷲(おおとり)神社に立ち寄り、「雑閙(ざっとう)や 熊手押あう 酉の市」の句碑を確認して次に移動する。

 日本堤通りだったと思しき道筋を東進して、地方橋交差点から 山谷堀公園 に入る。かつては羽振りの良い遊び人が、吉原まで船を雇って訪れた舟路だったが、今はただの遊歩道。

 遊歩道に立つ朝倉文夫の彫刻「あこがれの像」や正岡子規の「牡丹載せて今戸へ帰る小舟かな」句碑などを鑑賞して、浅草高校前交差点で吉野通りを横断、 待乳山聖天 には江戸通りから通じるエレベーターを利用しようとしていると、浅草から人力車で遊覧に来た6人のギャルが興味深そうに目を向けてくる。
 最年少の山内を除く、定員4人が本殿まで電梯で近道して、本日の無事のお礼を申し上げる。庭園を鑑賞し、「池波正太郎生誕の地」のプレートを見て江戸通りを渡る。

 隅田公園 に入ると、すぐに武島羽衣作詞、瀧廉太郎作曲の「花」の歌詞が刻まれた碑(「街道の行く先へ」さんのページ)と並んで建っていた「雪の日の 隅田は青し 都鳥」の句碑を確認出来たので、スカイツリーを見上げてから、浅草寺に向かう。
所用で先に帰宅する山内と別れて、言問橋西交差点を水戸街道に右折して、左折して、馬道通りを横断、裏道からこれまた大勢の外人観光客と一緒に、 浅草神社  浅草寺 に参拝した。

 境内の西側、花屋敷に近い広場の一角にあった「観音で 雨に逢いけり 花盛」の句碑と、芭蕉をはじめとする数々の句碑や歌碑を鑑賞した。

 旧六区に抜けて、かねて目星をつけていた サイゼリヤ に入店し、例によってエクストラバージンオリーブオイル一杯のツマミを、マグナム赤ワインで賞味しました。

 冬に至ったとは思えない陽だまり散歩ができました。(村谷 記)

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 コース
  
上野公園西郷銅像前〜清水観音堂〜五条天神社〜正岡子規記念球場〜寛永寺輪王殿横〜凌雲橋〜元三島神社〜言問通りを東進〜入谷鬼子母神〜吉原〜山谷堀公園〜乳待山聖天〜隅田公園〜浅草寺〜東京メトロ銀座線・浅草駅など浅草駅
     
<歩行距離:7km±α、歩行時間:1時間50分±α>

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★2015年12月22日(火)「台東の正岡子規句碑文学さんぽ(上野駅〜浅草駅)」

さんぽ

 ※台東ぶらり散歩「其の六 正岡子規ゆかりの地(句碑)を訪ねる」を参照し、一部カットして歩きました