午後から雪の天気予報の影響なのか、土曜日ながら がらんと空いている西武池袋線・池袋駅発8時06分の快速急行に乗車したのは、村谷1名、久々の単独行となった。
長瀞駅まで直通のはずの電車は、昨日の秩父鉄道の貨物列車脱線事故のため、西武秩父駅行きに変更され、秩父鉄道・秩父駅までは代行バスで送迎しているとのアナウンスがあった。
西武秩父駅改札口でも知った顔が見つからなかったので、秩父市市役所前から、代行バスに乗り込む。
小生同様に、明日開催される西武鉄道・東武鉄道・秩父鉄道の三社合同ハイキングを回避した事情通のハイカーで満員となった。
数分で秩父駅に到着したが、西武線から来るはずの10時28分発は当然運休で、代わりの電車もないため41分発まで暫く時間がある。
そこで、近くの秩父神社に立寄り、本日の旅の無事を祈願し、境内を散策、駅前の団子屋でおやつを買い込み、やっと来た電車で長瀞駅に到着したのは、当初予定より1時間遅れの11時だった。
駅前では、明日のイベント用に設営されたテントや机の前の係員が手持ち無沙汰だった。
先ずは宝登山神社へと緩やかな坂道を登っていく。左手に、今年から繰上げ営業を開始したライン下りの案内所が営業中。帰りに暖かな船内で一杯というのも悪くないなと思っているうちに神社に到着。
階段の上の本殿で、頂上にある奥社往復の無事を祈願した。
駐車場では、正装した神主が、数台まとめて車祓いしていた。
ロープウエー駅の分岐から、広々した参道が始まる。
昨年は引っ切り無しに降りてくる参拝客やハイカーとすれ違ったのだが、今年は、下りのロープウエー料金を節約した?家族連れと偶に会う程度だ。
登っているのが、われ一人だけとはちと寂しい。
空は晴れ渡り、風が無く思ったよりも暖かい。
途中の東屋で、今朝購入したとち餅を食べながら休憩。寄居方面の山々がよく見えた。
小動物公園への分岐からは、短いながら急坂だ。ロープウエー山頂駅に戻るらしい家族連れの息が上がっていた。
奥社への階段は迂回し、南側から山腹を回り込む。
山頂駅に向かう右側にある土手に咲く福寿草がお目当てだったが、まだ7分咲き状態だった。洋名はアドニスといい、春の女神でもあるアフロディーテに愛された美少年に因んだそうだが、女性的な感じがする可憐な黄色の花びらが控えめに咲いていた。
蝋梅園への坂道を上がっていくと、左手一面に黄金色の花々が広がる。
昨年までの混雑ぶりとは無縁の人出で、ゆっくり鑑賞しながら右手の奥社に到着。日本武尊が東国遠征の帰途に開いたそうだが、低山ながら眺望がすばらしい。
丁度12時のチャイムが鳴ったので、頂上直下の桜の木の脇にシートを広げて休憩。
まずはバーナーに着火し、湯を沸かす。
眼前には雪をかぶって斑模様になった武甲山と秩父の町並みが広がる。
持参のウインナーを茹でて、缶ビールを開ける。青空が広がり、日差しが強く気持ちが良い。
残った湯で焼きそばを作り、持参の酒パックから、燗をつける。
偶々購入した銘柄が冨久娘だったので、70歳目前で物故した榎本国民先輩から酒場でよくご指導いただいた若き時代を回想する。
蝋梅の花言葉は「慈愛」だそうだが、クールヘッド&ウォームハートはいつの時代でも大切だろうと感じた。
一人ではなかなかウインナーが片付かず、ようやく午後1時に御輿を上げた。
折りしも野上駅方面から雪の長瀞アルプスを縦走してきた一団が着いたので、下山にかかる。
途中の梅園の紅梅はまだ三分咲きだった。
頂上駅前のテントで、長瀞町認定ガイド「えんでんべえ」(秩父の方言でさあ、行きましょうの意)の紹介をしており、地元にも10本しかない蝋梅の原種が展示されていた。
下りは、やや滑りそうな場所があったが、順調に1時50分、山麓駅脇の駐車場に降り立つ。
駅まで行く期間限定のシャトルバス(100円)があったのでライン下りは見送って乗車し、5分で長瀞駅に到着。
気がつくと天候はいつの間にか冬空に一変しており、改札口の駅員は手をこすりながら寒い寒いと呟きながら切符を切っていた。
2時5分発の急行電車に間に合い、秩父駅で待っていた代行バスで市役所へ、西武秩父駅発2時37分発の飯能駅にぴったり乗車、4時半池袋駅着と極めて順調だった。
車中では、西武秩父駅・仲見世で購入した武甲正宗・純米酒カップを飲みながら、残っていた草餅を平らげた。
正丸トンネルを越えた途端、雪空に変貌し、本日も両神社のご加護に感謝した一日でした。
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当初予定のコース
秩父鉄道線・長瀞駅、標高約140m〜(15分)〜ロープウェイ・下駅〜(60分)〜ロープウェイ・上駅〜(5分)〜宝登山・山頂、標高約497m〜(60分)〜秩父鉄道線・長瀞駅
<歩行時間 2約時間半+蝋梅花鑑賞時間>
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※宝登山のロウバイが掲載される長瀞町商工会のページ
★2008年2月9日(土) 「宝登山」