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 村谷は、曇天のJR常磐線・金町駅北口を午前11時半に出発した。すっかり旧の休日の人波に復した商店街を、線路沿いに東進する。

 最初の参拝先は、真言宗豊山派・金蓮院。毎年4月には牡丹の花が一斉に開花することで知られており、広大な敷地に豪壮な建物が建っているものの、東日本大震災の影響で建て替えざるを得ず、本堂前には日本最古の会社である金剛組が作成した改築予定の新本堂の写真とともに募金募集のお知らせが出ていた。

 東金町3丁目交差点で岩槻街道を、東金町4丁目交差点で水戸街道を横断し、葛西神社に参拝した。平安末期に創建された古刹で、東京を中心とした関東南部地区に広く伝わっている「葛西囃子」の発祥の地としても知られている。
 早くも七五三のお参りに来ていた家族連れの後に疫病除けを願い退出した。

 水戸街道と並行する小路を北上する。住宅の庭に、
紅色の百日紅が続く。猛暑と入れ替わりのように感じた。
突き当りにある浄土宗・光増寺に参拝する。創建から750年以上の歴史を持ち、江戸期の俳人・鈴木松汁の墓があるという掲示があった。松尾芭蕉の研究でも知られ、柴又に残る「山本亭」の所有者だった。その句として、以下の内容が記載されていた。
 
「気も散らで 暮れに及ぶや 蓮の花」が代表作のようだった。

 水戸街道を渡り返して、半田稲荷神社に参拝した。江戸期には赤装束姿の願人坊主が宣伝に努めたため有名になり、当時の長唄や歌舞伎にまで登場したという。はしかや安産の神社として知られたためか、境内の一角にある広い公園に若い母子が数組休憩中。

 そのまま北上し、半田小学校を半周し、桜土手に突き当たり都立水元公園に入った。
まずは水辺の生きもの館に入ってクールダウンする。日差しは少ないものの、湿度が高いので冷房は何よりだ。

 汗が収まったので隣接する葛飾区金魚展示場に入った。家族連れや若者たちであまり広くない敷地は込み合っている。金魚の種類ごとに分かれた水槽には、成魚が24種類、約1,000匹飼育されている。それぞれの人気の順番が表示されていて、根拠は示されていないものの今の人間の美人投票と同じかとおかしく感じた。

 水辺では
白い蓮の花が満開で、都内屈指の敷地面積を誇る園内には、虫取り網を持った家族連れがあちらこちらに活動中。
かなり以前のYSC散歩時に昼食場所としたこともあった、水辺が一面に見渡せる石造りの休憩所に隣接した木製のベンチに着座した。
 帽子・背中のタオル・ベスト・靴下を脱いで休憩タイム。缶チューハイ・ベビーチーズ・バナナチップスで小30分の休憩を過ごす。

 眼前の水元小合溜は、江戸湾から銚子方面に付け替えた利根川の一部である古利根川を、八代将軍吉宗の時代に灌漑用水用の調整池として整備した場所だ。

 香取神社にもお参りして、金町駅方面に戻る。

 縛られ地蔵で有名な南蔵院に立ち寄る。境内は無人で、縄1本100円でお願い事が叶うが、村谷は特にないのでそのまま境内から出た。

 旧岩槻街道を渡り、東水元公園の先で岩槻街道を横断し、しょうぶ通りに入った。
駅まで商店街に沿って午後1時半過ぎに、
金町駅北口にゴールイン。

 昭和22年のカスリーン台風で決壊した堤防跡や、江戸時代に入鉄砲や出女を厳し監視したという金町松戸関所跡は省略しました。(村谷 記)

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 コース
  
JR常磐線・金町駅〜金蓮院〜葛西神社〜光増寺〜半田稲荷神社〜水元公園〜葛飾区金魚展示場〜水元小合溜〜香取神社〜南蔵院〜金町駅
     <歩行距離:5.5km±α、歩行時間:1時間30分±α>

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★2020年9月13日(日)疫病退散祈願散歩・葛飾区第11回「金町の寺社散歩」