<10月15日(水)那須岳登山第1日目(坂戸駅〜那須岳ロープウエー〜茶臼岳〜三斗小屋温泉)>
台風一過+1日後の朝、東武東上線・坂戸駅南口に集合したのは松戸・村谷・山内の3人。松戸車に乗車して、快晴微風の東北自動車道を順調に進む。佐野SAで水飲み休憩。
佐野ラーメンは魅力的だったが、時間が合わずに見送った。
松戸は度々、山内は2度目、村谷は初めての那須の別荘地を通過して、11時前には那須岳ロープウエーのの乗り場前に到着した。
平日ながらも満車の駐車場で、折よく空いた1台をただちに確保ですぐに乗り場に向かい、11時20分発のロープウエーは、110人乗りだが満席だった。
我らと同様の登山姿のメンバーは約1割程度で、後は新宿で見かける散歩ルックにコートを羽織った程度のハイカーだった。
標高1,687mの山頂駅は流石にひんやりしていて、手袋ともう一枚の上着を重ねた。
雲一つない眺望、下界を目の下に見下ろして、コンビニで調達した弁当を平らげる。
標識の前で、若手女性3人組のリーダーにシャッターを押してもらい、いよいよ山登り。
ところが、10年前の松戸の記憶とは大いに異なっていて、牛ヶ首の分岐(1,730m)までは、高尾山1号路なみに整備されていて、スニーカーさえも要らないほどに整備されていた。
分岐から我らは登山道。シャッターを押してもらった先ほどのギャルに、遥か眼下の三斗小屋まで行くと説明すると「信じられなーい」とのご託宣。
これからが本当の山登りだ。火山性の大きな岩を繰り返し通過する。
ひときわ大きな岩の脇に、東北大学理学部のヘルメットを被った一団が、火山性の岩の結晶を勉強中。約1〜2人が、下山の苦労で息も絶え絶えだった。
人ごとでないほどに、苦労を重ねて茶臼岳(1,898m)頂上に到達する。名物の風が予想外に弱く、しかも見透しが良くて、うれしい。
旧火口は全く噴火の気配はないが、左手からは噴煙=蒸気?が時折う吹き上げてくる。そういえば登山客の半数以上がヘルメットをそ装着していた。
風の通り道で有名な避難小屋までは、これまた結構な岩場の下り道だ。田幸兄のご指導を忠実に守って、持参のストックを使用せずに何とか辿り着いた。
大勢のハイカーと別れて、牛ヶ首分岐方面を折り返す。見上げる茶臼岳の裏半身はまさに活火山。噴煙と硫化水素は、無限地獄の名にふさわしい。
牛ヶ首分岐下から一挙に下る。紅葉で有名な姥ガ平だが、もう盛りは過ぎていた。それでも日陰には所々真っ赤な葉っぱが残っていた。
ここから本日の宿、三斗温泉までは下りのはず。
ところが行程表を見ると何故か、温泉分岐まで40分。
山は甘くなかった。御沢を含めて、3つの沢を登って下る試練が待ち構えていて、へとへとになった。
それでも温泉分岐からは20分弱でゴールイン。小屋の前にある清水がまさに甘露だった。
本日の宿・三斗小屋温泉は、開湯1,000年の歴史を誇り、那須11湯の一つ。往時は会津西海道の宿場で、5軒の宿があったそうだが、現在は煙草屋と我らが宿泊した大黒屋(9,100円)の2つのみ。
先ずは、部屋に荷物を置いて、男女交代の為残り15分のかけ流し温泉に一目散。源泉は51度だが、二つ目の湯船は41度でありがたい。
岩登りと岩下りの疲れが、天然の食塩水ですっかりと吹きとんだ。
夕食は午後5時からの部屋だしだったが、待ちきれない村谷&山内は小屋のカンビール(@500円)を買い込んだ。
程なく5時前に早めの夕食が運び込まれたので、夫々持ち込んだブランデー・バーボン・黒糖焼酎を取り出して、足の疲れを癒す。
夕食の献立は、山菜中心のつまみと暖かなチンジャオロース、鮭のフライとヘルシーだったが、御櫃のご飯は食べきれなかった。
消灯の午後9時までに、2度目の入浴と残ったツマミの片づけで結構あわただしい。
朝までぐっすりと寝込みました。
<10月16日(木)那須岳登山第2日(三斗小屋温泉〜朝日岳〜那須岳山麓)
広々した部屋を3人だけで占領し、ふっくらした寝具を頭からかぶって熟睡した我らは、5時過ぎには起床した。布団を片付けて身支度を整え、7時の朝食を待つ。
夕食と同じく30分早めに届けられた朝食は、海苔・納豆・卵焼き・漬物に熱々の味噌汁と、御櫃にたっぷり入ったご飯と、下界の旅館並みだった。夫々茶碗に2杯ずつしっかりと平らげたが、温泉卵がおいしかった。
昨夜の予報では曇りだったが青空が出ている。
7時過ぎに出発。
コースは2通りあるが、初体験の2人に松戸が配慮して、三本槍岳は見送って朝日岳に絞る。温泉分岐まで昨日の道をゆっくりと上がってゆく。
江戸期には会津西海道として盛んに利用され、三斗小屋温泉では5軒の宿が営業していたという。また、牛が木材などを背中に積んで通ったそうだが、岩がごろごろしていてとても大変だったと回想する。
延命水では水量が多くて腰を下ろす場所がなく、一気に避難小屋まで歩きとおす。
見上げると茶臼岳の山腹から、噴煙が盛んに上がっている。
茶臼岳と朝日岳の尾根が切れ込んだ峰の茶屋跡に到着した。強風が吹く場所として知られているが、本日はそよ風程度でありがたい。
ここから尾根道が続くが、休養十分なので足取り軽く朝日岳の肩に到着。
いよいよ難関の岩登りだ。途中でザックをおろし、複数のくさり場を慎重にクリアーして、朝日岳(1,898m)山頂に到着した。
予報通り雲がいっぱい出てきて生憎の眺望だったが、達成感に満足する。
肩まで下山すると、われわれより早立ちした2人組と会う。隠居倉経由で三本槍岳も制覇してきたという健脚に驚く。
峰の茶屋跡まで下山すると、早くも登山客で込み合っていた。長い下り道でも、ひっきりなしに登ってくるメンバーとすれ違う。
相変わらず岩だらけだが、緩やかな道を順調に下って、ロープウエー乗り場横の駐車場にゴールイン。山頂駅を見上げると雲の中にすっぽり包まれていた。
仕上げは先ず温泉、松戸が調査済みの立ち寄り湯・鹿の湯へ。芭蕉が訪れた(「俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡」さんのページ) 殺生石のすぐそばで、湯船が41〜48℃まで分かれていて、好みを選択できる。村谷は41℃から始めたが、43℃でギブアップしてしまう。
地元の人らしい数人は、一番奥で長々と浸かっていた。
続いては蕎麦屋さがし。時刻も1時近くて少しあせったが、「ふる郷」という看板を発見し飛び込んだ。ごま油のいい匂いに誘われて頼んだ熱々の天ぷらそばは、質量ともに文句なし。
帰途は桶川駅で松戸車から降ろしていただき、5時過ぎに帰宅しました。
名物の強風に出会わず、噴火にも合わず、茶臼・朝日の両岳に登頂することができ、2度も温泉を堪能した満点の山歩きでした。
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★2014年10月15日(水)〜16日(木)「那須岳」