やま

★2009年7月16日(木)〜17日(金)「鳳凰三山の予定なるも、夜叉神の森〜南御室小屋往復」

<鳳凰三山のベースキャンプ登頂>

・第一日目(7月16日)

 久々の本格登山に挑戦するため、村谷はオリジン弁当で購入した熱々のカツ丼を平らげ、家を出た。
梅雨明けの快晴で鳳凰三山の絶景が楽しみだ。

 7時10分に高尾駅到着、いつもの南口グルメシティ前で、松戸車に乗せていただく。
夏休み前でがらがらの中央高速を順調に通過し、甲府昭和ICで一般道に下り、甲州街道を横断して高度を上げてゆく。車窓から八ヶ岳がくっきりと見える。

 道脇のコンビニで昼食を購入、村谷には見覚えのある旧甲州街道をも横断し、南アルプススーパー林道に入る。芦安温泉郷を過ぎるとくねくねした山道だが、松戸の見事なハンドル捌きでこなし、9時30分、鉱泉つきの
レストハウス・夜叉神の森がある登山口(標高1,392m)に到着した。駐車場には早くも10数台が停車済みだが、全部で70台ものスペースがあり本日はガラガラ。甲府駅からのバス便もかなりあるがまだ始発便は着いていない。

 我らのすぐ後に、タクシーで男女3人組が来て、後ほど同宿となるが後先になって登る。
いよいよ登頂開始、先ずは皇太子登頂記念の碑の脇から最初の目的地・夜叉神峠(1,770m)までは、1時間の行程だ。

 いきなりかなりの急斜面で大菩薩峠以来のブランクがある身にはきついが、着々と訓練してきた松戸に先導してもらう。
長丁場なのでこまめに休憩をとることとし、スタートから30分経過したので、黒松が5本寄り重なるように生えている場所で先ず腰を下ろす。

 一輪の白い花の名が
オダマキだと松戸に教えられ、鶴岡八幡宮で静御前が舞いながら歌って義経を偲んだという故事を連想する。
広々して足元がしっかりした登山道の頭上には、両側からこんもりした葉が暑い日差しを遮っていてくれて快調に歩を進める。

 
夜叉神小屋がある峠に着くと、北岳・間ノ岳・農鳥岳の白根三山が余すところなく全貌をさらけ出してくれていた。本日は、この三山が小屋まで終日お付き合いしてくれるとは頼もしい。

 撮影を終えて、一旦少し下ってから再びしっかりとした山道を上る。次の目的地・杖立峠(2,177m)まではたっぷり2時間の行程なので、途中にあった唯一のベンチで昼食を摂ることとする。周囲も広く切り開かれていて、皇太子が登頂された際に設置されたらしい。松戸がコンロを持参してくれていて、暖かな味噌汁にありつけ元気を取り戻して腰を上げた。

 
大崖頭山(2,186m)を巻いた地点から、富士山が見えた。雪が殆ど残っていないので、少し違和感があるもののやはり他の山とは違う風格があった。

 
杖立峠に着き、残り半分を切ったのでやれやれ。足元がしっかりしているためか、疲労感はない。

 次の目的地・
苺平(2,524m)が本日の最高地点で、「山と高原地図41北岳・甲斐駒」によれば2時間の行程だが、途中の岩場が乾燥していたためか、我らは90分足らずで到着、岩場の脇の草むらで、野草をついばむ大きな鹿に出会うオマケまであった。

 苺平からの30分の下り道は、小雲取山から雲取小屋までと距離も風景もよく似ているとの松戸の指摘があった。

 午後3時30分、本日の宿・
南御室小屋(2,450m)にゴールイン、久々の8kmもの高山歩きだったが、無事にたどり着けてほっとした。

 本日の予約は、タクシー3人組と我らだけで、二人で個室が占領できて平日登山の有難みを感じた。
 雲取小屋同様に飲み放題の水場があるのも贅沢な限りで、残ったミネラルウオーターを捨て中身を入れ替えた。

 午後4時に甲府駅から11時登山口着のバスで来た女性が一人飛び込みできて、午後5時半からの夕食は合計6名だ。
メニューはトンカツと村谷には朝と重複するが、気持ちよい汗を掻いた後ならば、具沢山の味噌汁もありとても美味だった。

 消灯は午後7時半だったが、ウイスキーも効いて7時に就寝した。

・第二日目(7月17日)
 「朝食ができましたよ」との声で午後5時に布団から出たが、昨夜来の雨は依然として強く降っていた。

 まずは腹ごしらえ、アマゴの甘露煮などのおかずで、茶碗に大盛り2杯を平らげた。

 当初の予定では、午前6時半には小屋を出て、薬師岳→観音岳→地蔵岳を三山を周遊して、薬師岳小屋に宿泊するつもりだったが、雷まで時折混じる強い雨が止みそうにない。

 午前6時半には、薬師岳小屋から下山してきた小学生を含めた一団が雨宿りで飛び込んできた。

 松戸と協議の上、
南御室小屋に連泊し、身軽になって薬師岳と観音岳の2山だけ登ってくることに変更、幸い両方の小屋の経営が同じなので、小屋番から変更の連絡を取ってくれた。

 午前11時出発として一眠りする。昨夜は10時間も熟睡したはずなのに又2時間ほどぐっすり、まるで孫のようだ。

 午前9時半、前線が更に南下してきて明日の天気も期待できないとの情報が入る。
我ら2名は時間に余裕があるので今回は三山登頂を断念し、次回(⇒2010年9月4日〜6日デシタ)を期することとした。

 午前10時、雨が小止みになったので下山を開始する。
苺平までくると傘もいらない位の降りに落ち着き、これも日頃の信心のおかげと感謝した。

 杖立峠との中間地点の広場で早めの昼食とする。シートを敷いて、弁当を広げ、松戸のバーナーが活躍して暖かい味噌汁がまた出現する。
雲間から山頂だけ覗かせる白峰3山を遠望しながら、爽やかな空気をおかずにした昼食は催行の贅沢だろう。

 後片付けをしているところに、昨夜の同宿3人組と一緒になり、下山後の温泉まで付き合うことにした。

 わいわい話しながら濃い霧の中を快調に下山し、午後2時前に
登山口にゴールイン。
 松戸車で
芦安温泉郷にある南アルプス温泉ロッジ・白峰会館に立ち寄り、入浴料550円を支払い展望温泉風呂ですっかりと疲れと汚れを取り去った。
湯上りの生ビールの旨さは今回も格別だった。

 鳳凰三山登山経験豊富な同宿だった73歳の男性によれば、「今回の2日間の行程は、眺望3割・高度9割」の充足度とのご託宣で、われらも満足し次回を期した次第。
 帰途は3人組を甲府駅まで送り、快適な中央高速経由で午後6時に高尾駅に到着した。

 帰宅後、村谷は、晩飯をかねて
門前仲町に出向き、魚三酒場で生だこ・かつお焼き・あさり掻揚げ・ぶりつゆの定番メニューで熱燗を数本堪能したのち、深川不動尊に無事に帰還できたお礼を申し上げた。

    ※松戸兄がこの山行をブログにアップしました。

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