奥多摩駅前バス停9時15分発の小菅行きバスは、紅葉狩りの老人パワーで満員だったが、見知った顔は見当たらず、当初予定の奥多摩むかし道散歩を変更し、以前、天候不良で見送った鹿倉山に単独登山することとした。
終点の小菅(橋立)のひとつ手前の川久保で下車、真っ青な空の下、10時10分に県道8号線・上野原丹波山線を登り始める。
先ずは箭弓神社に本日の無事を祈願する。
傍らに一戦場という掲示があり、平安中期に平将門がここで幕府軍に破れ、この道を通り、獅子倉山(当時の表記)を経由して丹波山に落ち延びたという。
季節が不明だが、将門も眺めた風景がみられそう。
時々車と行き交うが、明るい日差しが背中に当たり、シャツに貼った使い捨てカイロが要らないほどだ。
3kmほど県道を登った右手から登山道になるが、簡易舗装の立派な林道が続く。
湖畔の紅葉は、赤色が昨年ほどの輝きがないものの丁度今が盛りだったが、山はもう峠を過ぎて足元の絨毯に変わっており、歩くには格好だった。
林道と分かれてまもなく丹波山方面との分岐点・大丹波峠に着き、ここからが鹿倉山への登りになる。
最初は木の階段だが、すぐに落ち葉がたっぷりの快適な山道が続く。緩やかながら一貫して登りのため、汗がどっと噴出してくる。
後方に見えた山々は、大菩薩連嶺や国師岳らしい。
11時40分、鹿倉山(1,288m)に到着した。誰もいない頂上の松林で昼食休憩にした。バーナーで湯を沸かし、カップ麺・おにぎり・缶ビールで一息ついた。
日が短いので早々に切り上げて大寺山に向かう尾根道を行く。
足元優しく傾斜が緩やかなので、走るように進む。小さなのぼり坂で、思いがけなく大型カメラを抱えた男性と遭遇。1本前の8時45分発のバスで奥多摩湖から登ってきたという。
お互いにカメラで撮りあった後、情報を確認しあった。
その先で珍しく若い女性2人連れとすれ違った。お互いに紅葉目当てだろう。
午後1時、前方に巨大な仏舎利塔が立つ大寺山に着いた。
車が通る金風呂方面の道は安全だが60分かかり、バス便が少ないようだ。
厳しいが奥多摩湖へ向かう50分の下山路を選択した。
仏舎利塔の後ろから始まった下山路は、聞いていた以上にタフだった。
いきなり志賀高原のジャイアントスキー場並みの急斜面が広がっていたので、傍らの木の枝を杖代わりにして、滑りやすい斜面を慎重に降りる。
右手には三頭山が丸見えで絶景だが、写真を撮る場所がなかなか確保できない。
やっと通過すると、今度は両側が崖のやせ尾根だ。左手には紅葉真っ盛りの奥多摩湖が木の間から見えるが、こちらもなかなか足場がとれない。
そこを過ぎると、傾斜はきついもののなんとか前後左右を振り返る余裕が出てきた。
ぽんとバス道に出る。道の脇の蕎麦屋・陣屋は満席だったが、立ち寄らずに深山橋を渡る。先ほどバスの車窓から見えた釣り人たちは、まだ頑張っていた。
1時40分、深山橋バス停に到着、1時間に1本のバスが、24分後でほっとし、残っていた日本酒の紙パックを平らげ、奥多摩駅行きバスに乗車する。
次々と紅葉狩り帰りの老人たちが乗り込んできて、行き同様に満員になった。
2時47分発の青梅行き電車があったので、温泉行きは見送り、葉付き山葵(280円)を購入して乗車した。
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コース
青梅線・奥多摩駅=(バス約50分)=川久保バス停/標高600m〜(15分)〜越ダワ〜(1時間)〜大丹波峠〜(1時間20分)〜鹿倉山/標高1,288m〜(1時間30分)〜大寺山〜(50分)〜奥多摩湖・深山橋バス停=(バス約30分)=奥多摩駅
<歩行時間 約5時間>
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★2008年11月19日(水)「奥多摩・鹿倉山」