新宿駅7時43分発のホリデー快速は、羽村のチューリップやら御岳の新緑ハイクのグループで、久々に満席だった。奥多摩駅に集合した吉田&村谷のB&Bコンビは、午後から80%&雷つきの天気予報に敬意を表して、急遽、桜がまだ咲き誇っている鳩ノ巣渓谷巡りに転進を決定し、9時30分出発した。
多摩川にかかる昭和橋を渡るとすぐ右側に、前回御前山に挑戦した時に難渋した長い階段がある愛宕山登山口があり、あえぎながら上ったことを思い出す。少し先の左側には、対岸のもえぎの湯につながるもえぎ吊橋の表示あり。海沢橋からいよいよ渓谷に下り右岸を進む。風がひんやりしていたが、階段を上下しているうちに体が温まってきて、足にもエンジンがかかった。
普段の電車や車では見られない下からの渓谷の眺めは格別で、何度も写真を撮る。10時に、青いジャンバーを着た長身&禿頭の外人男性とすれ違ったが、振り返るとあっという間に遠ざかり、コンパスの違いを痛感する。すりだしうどんがおいしい「ユキノシタ(鴨足草)」はまだ営業前だった。
岩の上で革ジャンにジーンズのペアルックの若い男女が、フライフィッシングを楽しんでいたが、釣果はどうでもよいと推測したのは年寄りの僻みか?
対岸には桜の木々が咲き、上流には新緑の気配が漂い、秋の紅葉とは一味違う風景を、橋の上からデッサンしている4人組とすれちがうが、まだ寒そうだ。
白丸ダムでは流れが緩やかのため、ボートが数隻出ていた。ダムの上で記念撮影としゃれ込んだが、思わぬ珍品を発見した。大掛かりな魚道で、下流の魚が上流に迂回できるという傑作であり、話には聞いたが見るのははじめてだ。そばまで見学できる階段があるが、高さが30mというにしては相当急だったので、体力を温存した。
ダムを過ぎると、川の流れが速くなり、水底の石まで良く見えるが、魚の姿は発見できない。
鳩ノ巣橋で左岸に渡る。温泉つきの「国民宿舎・鳩ノ巣荘」は1泊7,000円だった。コーヒーもある。
鳩ノ巣駅に到着。ここからは一転して山道になる。前に通った御岳神社の裏参道の急坂を上るが、家々の桜はまだ見頃だ。キャンプ場の先の三叉路からは、本仁田山とその後ろの川苔山が遠望できる。
ゲンジボタルが生息する寸庭川を横切ると、小さな滝が橋の上下にひっそりと姿を現す。山葵田や木の家を過ぎて対岸に上がると八重桜が満開だった。
11時50分、古里駅にゴールイン。そのまま御岳駅まで電車に乗り、いつもの「玉川屋」で眺めのよい窓側の席を確保して、満開の桜と味噌オデン、岩魚の塩焼きを肴に珍品の蕎麦ビールや例の蕎麦湯割り焼酎などを堪能した。終わって外に出ると雨がぱらついてきて、先ずは一安心した。帰りの電車でも吉田兄持参のカップ酒で締めたのはいつもの通りだった。
山あり谷ありのなかなか面白いコースですので、季節ごとに楽しめます。(村谷 記)
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当初予定のコース
JR青梅線・奥多摩駅=(奥多摩湖方面行きバス、約10分)=境橋バス停、標高:400m〜(30分)〜栃寄〜(1時間10分)〜栃寄の大滝〜(1時間30分)〜御前山、標高:1,405m〜(15分)〜惣岳山〜(30分)〜サス沢山〜(1時間)〜奥多摩湖=(バス、約16分)=奥多摩駅
<歩行時間 約5時間>
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