<9月23日(日)3年越しの常念岳・蝶ガ岳登山の第一日(高尾〜蹄鳥山荘)>
強い雨が降りしきる高尾駅南口に、午前11時に松戸・村谷が集合した。一昨年来の3年越しのプランだが、登山は明日からなので幸先良しと気を引き締める。
今年開通したばかりの高尾山から中央高速に乗り、がらがらの下りを直走る。
八ガ岳SAで昼食休憩。二人とも軽めの天ぷらそばを食して外に出ると雨は上がっていた。
安曇野インター(10月7日に豊科インターから改称予定だが、既に“安曇野”の表示が多かった)で下車し、今回の登山口に最も近い蹄鳥山荘に午後2時30分に到着した。
本日は我ら2名だけの宿泊ということで、風呂場や炊事場に最も近い場所に入室した。
暖房をつけてから、先ずは入浴。鉱泉を沸かした湯で、広々した洗い場で汗を流す。
炊事道具一式が揃っていたので、松戸が持参した北海道産カレーセットを手早く調理し、部屋の大型液晶テレビで、女子プロゴルフと大相撲千秋楽を観戦しながら、缶ビールで乾杯する。
明日からは長丁場になるので、アラ古希の我らとしては時間には拘らずに、大・中・小の休憩をこまめにとることを確認し、早めに就寝した。
<9月24日(月)第二日目(蹄鳥山荘〜三俣登山口〜蝶ケ岳ヒュッテ)>
昨日の引き締まった辛さとゆでたソーセージのカレーがアルコールとの相乗効果が素晴らしく、思わずぐっすり眠れた。朝食はカップめんと女将差し入れの焼きサケで済ませ、6時半に山荘を出発する。
20分ほどで駐車場(標高1,200m)に到着し、身支度を整えて三俣登山口(1,350m)へ着く。空は真っ青。入山届けを記入してから7時前に出発する。
本日の目標は標高2,677mの蝶ケ岳山頂、道筋は昭和42年9月に開設された蝶岳新道だ。標高差は二人にとっては
一昨年の青木鉱泉から地蔵岳に至るドンドコ沢に良く似ていると一致したが、距離が長い分だけ登りやすいと励ましあって進む。予定通り大、中、小の休憩を取り、午後2時半には今夜の宿・蝶ケ岳ヒュッテにゴールイン。生憎、周りは薄い雲がかかっていた。
一泊2食9,000円を支払うと、一番隅の二畳敷きのスペースを提供され、カーテンで仕切ると個室状態の快適な場所だった。
早めに着替えを済ませて、部屋で5時半からの夕食を待っていたら、外から「晴れましたよ」との声。急いで出てみると前面には槍を筆頭に穂高連峯がその全貌を表していた。宿泊者全員が時間を忘れて写真撮影に熱中していたので、小屋の若者が「夕食の時間になりました」と呼びに
来て食堂に戻る。メニューはとんかつ中心のボリュームたっぷりの内容だったが、軽く平らげた。
約50名の席は中高年男女を中心に満席で、夫々お互いの経験談を披瀝しながら話が途切れない。村谷と松戸は石油ストーブで暖をとった後、早めに部屋に引き上げ、村谷は缶ビール&焼酎お湯割で7時過ぎに就寝してしまった。
<9月25日(火)蝶ケ岳〜蝶槍〜常念岳〜常念小屋>
昨夜は、穂高連峯の絶景と高度2,500mの下でのアルコールの効き目でぐっすりと眠ったためか、久々に爽やかな目覚めだ。朝食は5時半、日の出は
5時40分とのことで、そこそこにカメラ片手に外に出た。
昨日から西高東低の天気が続いていて、西側の槍・穂高は引き続き絶景だった けれども、東側は早くも雲が上がってきてお日様は姿を見せない。
蝶と常念の高度差は200mなので昨日よりはややゆっくりと7時に出発する。
右手の八ガ岳、左手には乗鞍岳から大天井岳まであますことなく一望できる稀な好天に感謝しながら、先ずは蝶槍(2,650m)へ1時間弱の行程だ。
昨日、何度もシャッターを押してもらったが本日中には下山せざるを得ないと いう名古屋のカメラ好きの若者と頂上で別れて先へ進む。
この先は比較的なだらかな尾根歩きが続くはずだったが、急に下り坂になる。
150mも下ってから漸く登りになる。つかず離れずの3人組がGPSを持っていたので、その指示に従って今度は一転して登りになり、2,590mピークへ到達。
年寄り二人は2度目の大休憩。早くも行動食にかじりつく。小屋で購入した1リットル150円の水が特に美味しかった。
続いてまたまた下り道。
今度は2,520mピークで3度目の休憩。11時を回っていた。またも行動食。
いよいよ、今回の最難関の常念岳直下の岩場350mがお出迎えだ。
前半の200m弱が特に厳しかった。手を離すともはやお酒が飲めなくなるのが確実の勾配だったが、昨年の八ガ岳と同様に下からもくもくと雲が出てきたので、高所恐怖症の村谷も前を見るだけで助かった。中間地点からは経験ある程度の
傾斜になりやれやれ。
午後1時半過ぎには、念願の常念岳(2,857m)頂上にたどり着きました。まだ、雲が取れず槍の穂先がなんとかみえる程度だったが、3年間の月日を実感した。
北アルプスの女王の名の割には寂しい風景だったが、お互いに記撮影をじっくり済ませ、下山の途につく。
山の地図では小屋まで45分だが、標識が見えにく、何とか3時前に本日の宿・常念小屋に到着した。
平日ながら、クラブツーリズムの団体客が入っていて、ほぼ100人近くの宿泊客とは流石に人気の小屋と登山ブームを実感する。
1泊2日9、500円を支払うと、年に免じて5人部屋の個室に案内された(後に1人追加して3人とゆったり)。
午後6時からの夕食までは、外のベンチで夕陽に染まりゆく槍ガ岳をサカナにして、ブラ ンデーとウイスキーで極上の時間を満喫した。日差しが強くて暑いほどだ。
夕食は食堂が満席だったが、北アルプスの繁忙期特有の入れから替え制ではなく、ゆっくりとおしゃべりが楽しめた。
我ら2名は例によってストーブのそばの席を確保し、身体を温めてから早めに酔って早めに就寝した。
<9月26日(水)常念小屋〜一の沢登山口〜三俣駐車場〜ほりでーゆ四季の郷〜高尾駅>
昨日の厳しい岩登りのお陰でぐっすりと休み、午後5時に起床した。6時の朝食間では、相変わらずの槍ガ岳はじめ穂高連峯の絶景をたっぷりと堪能して、本当に幸せ。二人とも二度とは来れない絶景を名残惜しく堪能した。
ツアーの一団が早朝から常念岳の頂上往復に出かけていたので、ゆったりと朝食を済ませる。
当初の予定では、一旦常念岳の頂上近くまで登り返して前常念岳経由で一番の高みを下るはずだったが、道が崩れていて危険との注意文がでていたため、一の沢に下り、タクシーで三俣駐車場に移動することとした(小屋で予約可能)。
標高2,500mの常念乗越から7時に下山開始。既に紅葉が始まっている東斜面を朝日を浴びながら1,300mまで緩やかな下りだ。昨日の厳しい登りと比べると天国であるが、3日目の疲労があるので何度も何度も慎重に休憩を取って、予定通り11時前にゴールイン。
待ち合わせたタクシーで移動するが、道端には漸く秋の実りにありつけたお猿さんの大群団が山栗の木の下に群れていて、その頬は頭上の山桜の紅葉と同じくピンク色。
駐車場からすばやく、お馴染みの ほりでー湯〜四季の郷に移動し、蝶の小屋で調達した割引券(@400円)を提示して、露天風呂から常念岳の頂上を眺めて疲れを取りました。
食堂で蕎麦&地元推薦のどんぶりの昼食を取り、途中は諏訪湖SAで休憩して、早々と午後4時には高尾駅にゴールインしました。